最終更新日:2021年07月13日

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フライス加工用の
切削計算アプリ
「ミリングマニアック」の「鉄のテンパカラー」計算機能説明

目的:切りくずの色から加工点の温度を想像する.
加工点で生じる切削熱が切りくずを加熱し,それが冷却されると,表面に酸化膜が形成される.
酸化膜がある位置で光が反射されると,酸化膜の表面で反射される光と,酸化膜を透過して本来の金属部で反射される光で干渉が発生し,色がついているように見えます.
この干渉色は,酸化膜の厚みによって変化します.
よって,干渉色から酸化膜の厚みが推定でき,そこから加工点の温度をなんとなく想像することができます.

この機能では,酸化膜厚と干渉色の関係性を示しています.
ただし,炭素鋼が対象となっているので,材質が違うと多分この関係性が変化します.
炭素鋼の場合,酸化膜が四酸化三鉄の単一層とみなせる,酸化膜厚100nm以下において,この表が使えます.

基本的には,酸化膜が厚いほど,加工点の温度が高いことになります.
ただし,切りくず形状によって冷却速度が変わったり,工具材質によって熱伝達率が変わったりするので,温度の絶対値推定は難しいです.
あくまで参考程度に使うものです.

参考資料:
・藤村善雄:テンパカラーの酸化膜厚さによる数量化 - 切りくずのテンパカラーよりの切削温度の推定(第1報)-,精密機械,Vol.38,No.11,(1972),pp.902-907.