内容：傾斜切削時には，傾斜角によって平面方向の送り量と，軸方向の送り量の割合が定まるため，実際にはその2つの送りをNCコードとして指定することになります．
その2つの送り量の関係を計算するのが本機能です．
\(\displaystyle \tan \left( \theta_{ramping} \right) = \cfrac{D_{z}}{D_{xy}} \)
\( \theta_{ramping} \)：傾斜角（ランピング角）
\( D_{z} \)：軸方向送り量（Z軸方向）
\( D_{xy} \)：平面方向送り量（XY平面上）
追加情報：
ヘリカル加工において，実現可能な加工径に関しては，各社のカタログに記載されているし，本アプリでも計算できるようになっています．
しかしながら，ヘリカル加工時の工具1公転あたりの軸方向送り量に関してはカタログに十分な記載が無いものがあります．
これは，この軸方向送り量の計算が非常に複雑であることが原因であると推測します．
そのため，この軸送り量をユーザが設定する場合，小さい軸送り量から徐々に軸送り量を増やして実際に確認するか，3DCAD上で干渉を確認する以外に方法がありません．
ただ1つ言えることは，実際にCAD上で実施可能な送り量を確認して色々と計算してみるとわかるのですが，傾斜角はヘリカル加工時の軸方向送り量とはあまり関係がありません．
少なくとも傾斜角以上の送り方向を生じさせるような，ヘリカル加工時の工具1公転あたりの軸方向送り量の設定はできない，というくらいの関係性です．
そのため，傾斜角が計算できても，ヘリカル加工時の軸送り量が簡単に計算できるわけではありません．